ブライダルファッションデザイナー、桂由美氏。アクロス福岡館内アトリウムの会場でのトークショーにて。©︎ACROSQUARE
変わらない「桂由美デザイン」の新鮮さと、デザインへの情熱。
この日、久しぶりの晴天に恵まれた福岡の街は、人こそ多いものの、平日のオフィス街の喧騒は感じられず、休日らしい午後の淡い陽の光と静寂に包まれていた。ショーの会場となった館内アトリウムには、午後2時の開催を前に多くの女性の人だかりが出来ていた。
今回は、アクロス福岡2F<桂由美フランチャイジー・ブライダルハザマ>と、世界的デザイナーである桂由美氏とで実現された初のイベント。オープンなアトリウムに敷かれた赤い絨毯と優美なドレスの前には、たくさんの来場者が開催時刻を前に期待を膨らませていた。
14時、開始が告げられると、華やかで多彩なドレスを纏ったモデル達が絨毯の上に並び、観客席からは熱い視線が注がれた。
桂由美氏のトークショーが始まると、一階と二階からもその様子を見ていた人たち、スタッフも一語一句逃さぬように話に耳を澄ませ、静かに聴き入った。
日本で初めてのウエディングドレスブランドを立ち上げた同氏は現在87歳。自身のブランドを考えたいた当時、「世界のウェディングファッションを調べてみよう」という考えのもと世界各国を旅することを決意し、ビザを取るために女性誌の特派員になった。取材したのはグレース・ケリー、オードリー・ヘップバーンなどの名だたる女優達。当時から本物のエレガンスを追求するためのエネルギーと行動力に溢れていた。それは現在も尚デザインや自身の価値観を語る彼女の嬉々とした表情や輝きから感じられた。
敬愛するデザイナーとの今回のイベントとを恐らく誰よりも心待ちにしていたブライダルハザマ店長の楢崎さん。以前、お話を伺った際には熱心に桂由美ブランドについて愛情を持って語ってくれ、ご自分の仕事への誇りと信念を私は感じていた。故ピエール・バルマン氏から桂由美氏へ「この世で最も美しいものは花嫁姿。毎日ウェディングドレスに囲まれているあなたが羨ましい」と語ったのは間違いなくその通りで、会場の最前列に並んだ小学生の女の子にそのお母さん、おばあちゃんの目を輝かせ、男性である私もその美しい姿をいつまでも見ていたいと思った。
モデルの女性を気遣うように笑顔で語りかける店長の楢崎さん。PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
今回のショーで披露されたウェディングドレス、新作の展示はアクロス福岡2F<桂由美フランチャイジー・ブライダルハザマ>にて。ドレスの試着や相談も受付中。ぜひ桂由美ブランドのディテール、本物の“エレガンス”を体験してみよう。
アクロス福岡2F<桂由美フランチャイジー・ブライダルハザマ>