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2017.04.17 Mon

「あのとき、この一年」── 熊本の地元作家による、陶芸8人展 -それぞれの歩み-

2016年4月14日、九州の中心部である内陸を最大震度6強という規模で襲った大分・熊本地震。窯の全壊・半壊という状況から、制作の障壁を乗り越え造り上げた作品の数々と、熊本の地元陶芸作家8人を紹介する。

TEXT BY TAKAHIRO USHIDA

1/18 <円満寺窯> 近藤 聖伝
「鞍岳の麓、円満寺窯をとりかこむ自然の厳しさあたたかさは、作陶にもこころづかいが大切であることを教えてくれます」PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
2/18 <窯元天> 福山 宏、福山 ほたる
「緑に囲まれた阿蘇でオカリナと普段使いの器を作っています」PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
3/18 <高遊窯> 宇高 弘子
「熊本地震から慌ただしくすぎたこの一年。なんとか仕事もできるようになりました。日々の暮らしの中にお気に入りのカップやお皿があれば楽しくなるのではと、そんな思いで器を造っています」PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
4/18 <桃崎陶房> 桃崎 孝美
「工房は布田川活断層の真上に有りましたので、4.16の本震で全滅しました。現在は熊本市内の自宅に電気釜を設置して作陶しています」PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
5/18<日暮窯> 江藤 裕次郎
「トルコブルーの器を作っています。それは透明な青、空の色、水の色です。全てを受け入れながら調和していく、そんな青を求めています」PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
6/18<南阿蘇焼> 松山 一郎
「南阿蘇からの恵み “溶岩・火山灰・阿蘇黄土” を作品に生かし、ふだん使いの器から存在感のあるオブジェまで幅広く作品を制作しています」PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
7/18<陶房 恵泉> 恵泉 祐介
「花や身近なものをモチーフに、素材や色、形で遊んだり、モチーフをデフォルメした花器や生活雑器、アクセサリーを作陶しています。熊本の復興へ向けて頑張ります」PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
8/18<有紗窯> 元田 翔子
「熊本地震では、少なからず被害を受けました。熊本県の復興を目指す一人として微力ながら一歩ずつ頑張っていきたいと思っています」PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
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PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
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PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
11/18
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PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
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PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
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PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
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PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
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PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA
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PHOTO BY TAKAHIRO USHIDA

8人8色、個性豊かな作品群会場には作品の他にも、地震当初の倒壊した工房の写真や、地域の被害の様子の写真も紹介されていた。今回の展示会の代表を務める宇高弘子さんに、事前に電話でお話を伺った時には明るい雰囲気が印象的で、開催当日にお会いした際も、悲観的に見てしまいがちなこの状況において清々しい笑顔があった。作品によって違いはあるが、本来陶芸は土の採集から始まり、成型、焼き、釉薬、絵づけなどの様々な工程を経てはじめて作品として仕上がる。地震によって釜が使えなくなったり、材料の調達が出来なくなったりと、作家それぞれに制作の障壁があった中で、釜を借りに仲間の工房まで車で焼き入れ前の作品を運んだり、互いに足りない部分を補い合い地道に丁寧に制作を進めてきた。クリエイティヴな仕事をする人達にとって、オリジナリティやディテールを表現するには使い慣れた環境が必須であることは言うまでもない。決して十全な環境でなかったにも関わらず、実物の完成度や奥深さには心を奪われるものがあった。「完全な復興はまだまだですけど、助け合いながらこれからも作品を作り続けて行きたいです」と語った宇野さん。来年も棚いっぱいの新作に出会えるのが楽しみだ。