REPORT

2018.12.05 Wed

写真レポート── 熊本の物産と工芸展

アトリウム恒例の工芸品展示即売会。熊本の各地で伝統を守り、職人の知恵と技を現代につなぐ工芸・物産品の数々を、インタビューと写真で紹介。
開催は12月9日(日)まで

TEXT BY TOSHIYA ONO

明治初期・・・日奈久で創業して135年間、竹細工の技術を受け継ぐ「籠商・山満」の山田庸介さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

県最北部の岳間で、澄んだ空気と清らかな水が、深いコクのある茶葉を生産する「古田製茶」の古田太郎さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

馬油が伝来して400年、その保湿や浸透力の高さを追求し続ける「ラニーズ」の肥後栄依子さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

合志市の広大な圃場で、土作りから播種、収穫そして加工まで、妥協のない「ジンジベル」の山本智衣さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

九州山地に囲まれた人吉球磨地方で、その豊かな山林の樹木を技で活かす「吉田木工」の吉田明功さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

工芸品は伝承して活きる・・・長く受け継ぐ事で現代でも使える技術が高まります。

熊本の各地で、100数十年の技を伝え、さらに磨きをかけた品々。 「元々は温泉の湯治客に向けたお土産品から、さらに研ぎ澄まされて工芸品に発展したんです。」と語る山満の山田さん。湿度に強い竹籠は温泉地でよく使われ、昭和初期には100件ほどの竹工芸専業が賑わっていたとのこと。 「豊かな山林で、木工に適した樹木が採れた事で発展したんです。」と吉田木工の吉田さんは3代目。「今は木造住宅が少ないので、家の中では木材の温もりを家具で感じてほしい。」と思いを語る。 

物産品は効能が大切・・・その素材が持つ豊かな効能を知ってほしい。

自然豊かな熊本で育つ素材、それぞれが持つ効能を存分に研究し、製品化して皆さまに自信を持ってご紹介する品々。 「最近話題の深蒸し茶のさきがけが岳間茶で、色がきれいで甘くトロっとした味わいが深いんです。」と、100年の歴史を誇る古田製茶の古田さんは5代目。今若者にもお茶をベースにした新たな飲料が流行しており、「ブームではなく、お茶の本来の良さを日常的に楽しんでほしい。」と語る。 「元々は明治41年から祖父が馬刺し屋を営み、そこで出る馬油を研究したのが始まり。」とラニーズの肥後さん。熊本では日常で使えわれ、「馬油は人間の肌に近く、角質層まで浸透するので保湿力が高い。」とその効能を自信を持って説明。 「家業が生姜を作る農家で、もっと親しみやすく製品化したんです。」と6次産業に手応えを語るジンジベルの山本さん。「生姜はポカポカ効果が高く、お腹を刺激して血流を良くするので今の時期はおすすめです。」と様々な効能や食し方を話される。

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竹を角型に折り込む技術は一級品。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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水に強い人気の竹箸。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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コクのある深い味わいが特徴。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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深蒸し技法のさきがけ岳間茶。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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熊本の名産として有名な馬油は効能豊か。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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生姜独特の効果を様々な製品で日常的に楽しめる。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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大人気の生姜糖。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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樹齢500年の黒柿で創られた貴重なテーブル。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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釘を一切使わない見事な伝統技法。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

取材して・・・ 伝統を守りながらも、現代に活きさらに伝え継がれるよう、新たな技術を加える工芸品。その素材が持つ効能を探究し、日常的に楽しまれるよう製品化に取り組む物産品。 熊本の地でそれぞれの品に注がれる、思いと願いの深さに納得させられます。自然と戦いながらも素材の育成に向けられる努力が、製品化への技術向上や探究心につながっていると感じます。そんな工芸品や物産品の数々を、生産者の生の声で聞けるのも、この展示即売会の楽しみなんです。