REPORT

2019.01.19 Sat

写真レポート── 天草陶磁器展

2019年スタートを飾る、アトリウムでの陶磁器展示即売会。天草伝統の陶石を守り、窯元の技と品質を今に伝える陶磁器への思いを、インタビューと写真で紹介。
開催は1月22日(火)まで

TEXT BY TOSHIYA ONO

国の伝統的工芸品指定 「天草陶磁器」・・・今回はその代表的な窯元が集結して展示即売。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

天草陶石は郷土が誇る産業だと語る、窯元「内田皿山焼」の木山健太郎さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

昨年から、各窯元でコーヒーカップをテーマとした、新たな創作活動に力を入れている。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

磁器だけではなく、陶器としての品質も高いのが天草陶磁器。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

世界でも最上級の陶石・・・「天草陶石」

豊かな海と山に囲まれた天草で産出される、良質な窯業原料が天草陶石。その特徴は、高い強度で製品も硬く、仕上がりの色は濁りがなくて美しいのが特徴。この良質な天草陶石は、有田や波佐見、九谷焼など全国の約80%に供給され、採掘に従事し原料供給中心だった地元で、焼物としての製品も提供したいと、窯元が生まれ腕を競い合い今につながっていると。 そんな窯元のひとり内田皿山焼の木山健太郎さんも、創業明治30年の㈲木山陶石鉱業所から、昭和45年に窯元を始め、現在も天草陶石採掘と窯元の二足の草鞋で、天草陶磁器の発展に尽力されています。 

江戸時代から続く伝統・・・「天草陶磁器」

自然豊かな天草の地で育った天草陶磁器。かつて天草は国直轄の天領であった為、藩の政策で起こった焼物ではなく、地主の好みで始まったことから、誕生発展のルーツが違い、陶磁器として他より実に個性的なものが多いと木山さんは語ります。 冒頭から「陶器土、右之土天下無双の上品に御座候。」と始まるのは、1771年(明和8年)、時の天草郡代に提出された建白書「陶器工夫書」。その著者は江戸期を代表する才人「平賀源内」。その陶器土こそが天草陶石であり、源内はこれを深く絶賛したと言われます。 天草陶磁器をこれからも発展させ、決して美術品としてではなく、日常で楽しむ器として広く親しんで頂きたいと、木山さんをはじめそれぞれの窯元が、さらに技術とアイディアに磨きを掛ける思いの深さを知りました。

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内田皿山焼・・・日常で使える製品の数々。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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蔵々窯・・・味わい深い色柄の陶器。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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水の平焼・・・重厚感のある色合いが特徴。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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洋々窯・・・デザイン性豊かな作品。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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高浜焼寿芳窯・・・陶石の美しい白を活かした作品。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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陶丘工房・・・シンプルながらも味わい深い作品が特徴。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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丸尾焼・・・独特の色合いと丸みを帯びたデザインが楽しい。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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陶器としての質も高い天草の焼き物。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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美術品としてではなく、日常使う事で満足を得られる天草の焼き物。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

取材して・・・ 世に名の知れた数々の焼き物、その品質を支えたのが「天草陶石」であった事を知りました。豊かな海と緑深い山々に囲まれ、古くから陶磁器の発展に尽くした天草の思いが、かの平賀源内に、外国に負けない良質の陶器を作れば、高価な外国陶器を買う事もなく、むしろ「唐人阿蘭陀人」などがこれを買い求めて、それが「永代の御国益」になると明言させた事は、その後数百年に渡る国産陶磁器の発展につながり、天草の産業を支えたのだろうと感じます。