REPORT

2019.02.21 Thu

写真レポート── 佐賀県観光物産展

アトリウム恒例の工芸品展示即売会。佐賀県と波佐見から、独自で築き上げた技とこだわりの工芸品を、インタビューと写真で紹介。
開催は2月23日(土)まで

TEXT BY TOSHIYA ONO

釜炒り茶発祥の地とされる嬉野町から、「お茶の深香園」の富永崇文さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

しなやかで強い、暮らしの道具作りにこだわる竹細工「栗山商店」の栗山勝雄さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

森林から生まれた貴方の家具に深いこだわりを持つ「工房 我楽堂」の橋村時生さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

自宅庭に咲く桜の木からインスピレーションを深めた「桜窯」の黒崎昭敏さん。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

決して飾るのではなく、日常の生活に溶け込むことで、工芸品はより馴染み深まるもの。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

発祥の地・・・守り伝え、そして広めることが責任。

背振山麓…「実はうれしの茶の歴史は古いんです。」と語る富永さん。約500年前、明から焼き物の文化と共に、陶工が釜を持ち込み、炒葉製茶法を伝えたことが嬉野式の釜炒り茶だという。そんな歴史と伝統を、より多くの方に親しんでほしいと、富永さんは来店されるお客様に熱弁をふるう。 「これ、よか臭いでしょ。」と、楠木の箱を笑顔で紹介する橋村さん。まさに森の中にいる感覚にさせられる「我がままを楽しめる…」それが我楽堂の家具作り。独特の表面加工を施した、深い味わいの工芸家具ながら処々に遊び心を見せる造形は、楽しそうに作品を語る橋村さんの人柄そのものだと感じる。

使ってこそ・・・暮らしの中で生きるのが工芸品。

日本の自然素材を使って、職人の技を持って…古くから温泉地として栄えた武雄市で、4代目の栗山さんが作り手を担う竹細工。西川登地区の竹細工は、かつて伊万里や有田焼と並ぶ佐賀県の一大産業だったそう。「元々は農家の副業だったんです。」と語る栗山さんは、その伝統技法をご夫婦で守り続ける。 「見かけにこだわらず 手の温もりを添えて 素朴で味わいのある器 人に親しまれる器を・・・」そんなしおりを添える黒崎さん。「特にこだわらず、思うままに作陶したら、今の様になったんですよ。」と語りながら、伝統の波佐見焼を独特の作風で挑戦し続ける。中でも桜をモチーフにした作品は、春空を彩る桜色と藍色のコントラストが見事でした。

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陶器には珍しい淡い桜色が美しい。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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ピューターを感じさせる独特な作陶。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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厳選した素材を細部までこだわった技が美しい。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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扉に施された遊び心が我楽堂の粋。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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日常遣いで素材の良さを感じる竹細工。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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デジタルでは決して感じられない温もりの玩具。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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色艶そして香りがうれしの茶の特徴。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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釜炒り茶ならではの深いコク。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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アトリウムに技の数々が並びます。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

取材して・・・ 様々な物産展で見る伝統工芸品の数々。各地で長い年月を掛け、匠の技を受け継ぎそして伝承していく方々の話には、それぞれの分野で深い造詣と、独特の世界観を知ることができ、その語りと自信あふれる表情に、いつも納得させられる取材です。デジタル製品に利便性を求め、その中で暮らし続けながらも、ここで聞き手に触れる工芸品には、ものづくり日本の伝承が息づいています。この日本の心は、失ってはならない…工芸展でいつも再認識させられます。