REPORT

2019.03.22 Fri

写真レポート── 第12回 九州の物産と工芸展

恒例の工芸品展示即売会がアトリウムで行われ、連日多くのお客様にお越し頂きました。九州各地で伝統を守り、代々受け継がれる知恵と技の品々を、インタビューと写真で紹介。

TEXT BY TOSHIYA ONO

桜の色を布に咲かせる・・・桜だけで染める革新的技法の「工房夢細工」(秋月)。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

肥後藩主、細川忠利公が愛したお茶「岳間茶」(山鹿)。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

細やかな透かし彫りが美しい筑前つげ細工「匠工芸」(福岡)。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

樹齢千年・・・特殊な原生林で育成された屋久杉を活かす「小林彫刻所」(北九州)。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

時が流れても変わらない、お馴染み馬油と言えばソンバーユの「薬師堂」(福岡)。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

創業135年、竹の持つ品質を現代に伝える「籠商・山満」(熊本)。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

工芸品は現代に活きる・・・伝統技法を現代の生活に合わせて創造。

九州各地で、100数十年受け継がれてきた技の品々。 「草木染の技法から、桜の樹木を焚き上げてこの色合いを誕生させました。」と語る工房夢細工さん。布に映し出された桜色は、まさに可憐な花びらを思わせます。 「高い湿度で育つ屋久杉には、独特の年輪模様と色が特徴なんです。」と自信を見せる小林彫刻所さん。屋久杉のお仏壇や仏具は、現代の住居スタイルにも溶け込むよう。 

品質を守り抜く・・・物産品は素材の質をさらに活かすことが大切。

祖母が大切に使い続けるつげの櫛。「長く使うほどにつげの変色や髪の油分で、美しい鼈甲のようなあめ色になるんです。」と語る匠工芸さん。そんなつげの櫛に、実に味わい深く、きめ細かな彫刻を施す技術は一級品。 「チョッと飲んでみませんか、これは健康にお勧めですよ。」とソンバーユの薬師堂さん。九州産の梅が原料の“梅雲丹”は、果肉と梅核(殻を除いた種子)を練り合わせたもので、食事にも焼酎に合わせても、存分に楽しめる健康食。 「山間の朝霧でしっとり潤うから、厚みのある柔らかい茶葉が育つんです。」と岳間茶さんや、「今回は、使うほどに色合いが変わり強くなる、青竹の製品を持ってきました。」と語る籠商山満さんは、この物産展に長く参加される常連。

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竹を角型に折り込む技術は匠の技。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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長い年月を掛けて馬油の品質を研究し続ける。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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梅野持つ効能を最大限に引き出した梅雲丹。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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つげに施された細工は一級の技。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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つげで作られた様々な道具も楽しい。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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岳間の環境で育つ茶葉は深いコクと香りが際立つ。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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気の遠くなる工程で織りなす桜染めは見事なほど美しい。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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人の心を癒す不思議な力と優しさを持つ桜色。 PHOTO BY TOSHIYA ONO
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自然の力と人の技術が融合して屋久杉は新たな工芸品に生まれ変わる。 PHOTO BY TOSHIYA ONO

取材して・・・ 毎回これらの工芸品や物産品の誕生秘話を伺うのが楽しみになっています。ただ商品として購買するだけでなく、様々な会話が楽しめるのも、アトリウム恒例物産イベントの特徴なのです。 今回は、春の日差しに誘われたのか、桜染めのスカーフが目に留まり「男性でも良いですよね」と、何度も聞き返してしまいました。 さらにつげの櫛を見て、あめ色になるまで長く愛用していた祖母や母を思い出し、ついノスタルジックに浸る時間まで過ごせました。 そういえば実家にもある・・・なんて思い出が募るこの工芸物産展に、是非皆さまもお越し頂きたいと思います。